イールドカーブ全体を3つの数で
米国債の利回りは1か月から30年まで十数種類の年限があり、毎日すべて動きます。ただし独立には動きません。政策金利へのショックはカーブに沿って滑らかに伝わります。そのため日次の利回り変化はPCAに理想的な題材です。利回り変化の共分散行列の主成分は、トレーダーが何十年も前から名前を付けてきた、安定して読み取りやすい形をしています。
Δyt≈s1,tq1+s2,tq2+s3,tq3,Var(sj)=λj(1) 第1成分 q1 はどの年限でも同符号のローディングを持ちます。正のときカーブ全体が上にシフトし、トレーダーはこれをレベルと呼びます(短期金利は政策金利にいっそう密接に追随するため、ローディングは最短期より中ほどで大きくなります)。第2成分は符号が1回変わり、短期側と長期側が逆に動いてカーブを傾けます。これがスロープです。第3成分は符号が2回変わり、両端が中央と逆に動いてカーブを曲げます。これがカーバチャーです。カーブは滑らかなので、3つのスコアでほぼすべての日次の動きを再現でき、十数本の個別利回りではなくこの3つのリスクに対してポジションをヘッジできます。PCAは水準ではなく利回りの変化に対して行います。水準は持続的でほぼ非定常なため、その第1成分は平均金利のゆっくりした推移をなぞるだけになります。
5,158営業日が語ること2006年3月から2026年10月までの10年限(3か月〜30年)の米国債利回りの日次変化を取ります。主成分は分散の
75.6%、
13.7%、
6.3%(合計
95.5%)を説明し、第4成分が加えるのは
1.9% だけです。第2成分のローディングは3か月で約
−0.54、30年で
+0.32 とスロープ状で、第3成分は3か月で
+0.60、2年で約
−0.40、30年で
+0.37 とカーバチャー状です。スコアが
(5,−2,1) ベーシスポイント動くと、10年利回りの3つのローディングが
0.4、
0.2、
0.1 なら
5(0.4)−2(0.2)+1(0.1)=1.7 ベーシスポイント変化します。
- 水準:すべてのローディングが同符号で、カーブ全体が一緒に上下する。
- 傾き:ローディングの符号が1回変わり、短期側と長期側が逆に動く。
- 曲率:ローディングの符号が2回変わり、両端が中央と逆に動く。
水準でなく変化を使う利回りは何年も続くトレンドを持つため、水準のPCAは主にそのトレンドを拾い、ローディングも標本期間によって動きます。差分を取ればそれが消えます。価格にも同じ理屈が当てはまり、リターンを使います。データの注意:30年債利回りは2002年2月から2006年2月まで公表されていないため、ラボのデータはその空白の後から始まり、後で使う価格バーは調整済みで生存バイアスのある価格です。
ラボ:採点される内容
- 成分の名前15点
- 3成分の寄与率15点
- 利回り変化の再構成15点
- いくつの成分か10点
- 水準か変化か15点
- 1ファクターのヘッジが残すもの15点
- なぜ少数のファクターで足りるのか15点