一緒に動く2つの価格と、探索の罠
対数価格 aₜ と bₜ はそれぞれ非定常ですが、ある組合せ sₜ=aₜ-βbₜ-α が定常なら共和分しています。2つは一緒に漂い、スプレッド sₜ は何度もゼロに戻ります。ヘッジ比率は定数付きの a の b への通常の回帰 sm.OLS(a, sm.add_constant(b)).fit() から得られ、傾きが β、切片が α です。スプレッドが戻る速さはAR(1):sₜ=c+φsₜ₋₁+uₜ で測ります。0<φ<1 のとき半減期は -ln 2/lnφ 期で、隔たりの半分が埋まる時間です。φ が 1 に近いことはランダムウォークであり、取引にはなりません。エングル=グレンジャー検定 coint(a, b) はスプレッドに単位根があるという帰無仮説を検定するので、小さいp値が共和分の証拠です。スプレッドは回帰から作られ通常の系列ではないため、特別な臨界値を使います。
次は探索です。66組を5%水準で検定すれば、純粋な偶然で約 3 組が通り、価格が持続的ならこの検定はさらに寛大です。ボンフェローニ補正は水準を検定の数で割り(0.05/66)、非常に小さいp値だけを残します。ここでは12銘柄の最初の669週で、66組のうち 13 組が p<0.05、2 組がボンフェローニを通り、最良の組は経済的に自然ではありません。銀行(WFC)と飲料メーカー(PEP)で p=0.0005 です。誠実な確認は標本外です。前半でヘッジ比率を固定し、後半でスプレッドを作って再検定します。上位5組のどれも共和分を保たず(p値は 0.54 から 0.86)、後半のスプレッドのAR(1)係数は 0.99 で、もう戻りません。探索から生まれた戦略には探索への補正と、探索が見たことのないデータでの検証が必要です。
- 共和分とは定常なスプレッド a-βb-α のこと。エングル=グレンジャーの帰無仮説は単位根なので、小さなpは共和分を意味する。
- AR(1)係数から求める半減期 -ln 2/lnφ は隔たりが埋まるまでの時間。φ≥1 なら決して埋まらない。
- 探索し、補正し、標本外で検証する。66組はノイズを拾い、ボンフェローニが助けるが、後のデータだけが決め手になる。
ラボ:採点される内容
- ヘッジ比率10点
- スプレッド5点
- AR(1)係数10点
- 半減期10点
- エングル=グレンジャー検定5点
- 全ペアの走査15点
- 発見の数え上げ10点
- 標本外15点
- ペアの研究20点