関数を多項式で置き換える
ある点の近くでは、滑らかな関数はその点での導関数から作った多項式のように見えます。これがテイラー級数です。x から小さな歩幅 h だけ動くと、関数は傾き×h、曲率による補正、さらに高次の導関数による小さな補正の分だけ変わります。
f(x+h)≈f(x)+f′(x)h+21f′′(x)h2+61f′′′(x)h3+⋯(1) 0 の近くで知っておきたい級数が4つあります。ex=1+x+2x2+6x3+⋯、sinx=x−6x3+⋯、ln(1+x)=x−2x2+3x3−⋯、1−x1=1+x+x2+⋯。数項で打ち切ると手軽な近似になり、誤差はおよそ最初の欠けた項です。
金融では毎日使われます。債券価格 P は利回り y に依存し、2次までで ΔP≈−DPΔy+21CP(Δy)2 となります。D は修正デュレーション(傾きの項)、C はコンベクシティ(曲率の項)です。オプションのデルタとガンマも同じ形です:ΔV≈Δ⋅ΔS+21Γ(ΔS)2。
2つの近似正弦:
x=0.5 のとき
x−6x3=0.5−0.020833=0.479167、真の
sin0.5=0.479426 なので誤差は約
0.00026 です。債券:
P=100、
D=7、
C=60、利回り1%上昇(
Δy=0.01)なら
ΔP≈−7+21(60)(100)(0.0001)=−7+0.3=−6.7 で、コンベクシティの項が損失をやわらげます。
その点の近くでのみ有効打ち切ったテイラー多項式は展開点の近くでの近似で、歩幅が大きくなると誤差は急速に増えます。利回りの1%の動きなら問題ありませんが、5%の動きでは項を増やすか、債券を再評価し直す必要があります。
ラボ:採点される内容
- 指数関数の級数15点
- 正弦の近似15点
- 誤差の大きさ15点
- 債券価格の変化20点
- 曲率にあたる項10点
- 級数を手で求める15点
- 関数とその級数10点