シャープレシオをどれくらい信じてよいか
バックテストはシャープレシオを1つ出しますが、それはノイズの多いリターンから推定したものです。ベイズ推定では、日次の平均 μ と分散 σ² を未知として扱い、弱い事前分布から出発してデータで更新します。正規・逆ガンマの組なら、更新は4つの数の式で済みます。次に事後分布からサンプルを引きます。精度を引き、次に平均を引き、各組を年率シャープレシオ μ/σ·√252 に変換します。サンプルから区間と、シャープレシオが 0 より大きい確率が得られます。
kₙ=k₀+n, mₙ=(k₀m₀+nx̄)/kₙ, aₙ=a₀+n/2, bₙ=b₀+ss/2+(k₀n(x̄-m₀)²)/2kₙ, S=μ/σ√252
後半は多数の銘柄についてです。見た目の良い平均リターンは一部が運なので、前のトピックの階層ルールで全体平均のほうへ縮小します。検証は公平に行います。年の前半で推定し、各手法が後半の平均リターンをどれだけうまく予測するかを確かめます。また、公式のない事後分布のための道具である自作のメトロポリス・サンプラーも書き、答えがわかっている事後分布で試します。
実データが示すこと2005年以降のSPYのシャープレシオは約 0.52 です。95% 信用区間は約 0.09 から 0.94 で、0 を超える確率は 99% です。直近 250 日は 1.34 とすばらしく見えますが、区間は約 -0.66 から 3.30 に及び、正である確率は約 91% にすぎません。1年ではスキルと運を区別できません。54 銘柄では、平均リターンの広がりがノイズだけで生じる程度なので τ²=0 となり、全銘柄が全体平均に引き寄せられます。後半を予測すると、生の平均の平均二乗誤差は約 0.0135、縮小後は約 0.0106 で、22% 小さくなります。
- 共役更新:4つの数 (mₙ,kₙ,aₙ,bₙ) が平均と分散の事後分布全体を表す。
- 正直な誤差範囲:1年のデータでは、シャープレシオの区間が 0 を含むほど広い。
- 縮小の検証:前半で推定し後半で採点する。ここではプールが生の平均に勝つ。
覚えておくべき単純化日次リターンは正規分布で独立だと扱っており、厚い裾やボラティリティの集中は無視しています。弱い事前分布は手で選んだものです。銘柄サンプルは、期間を通じて存在した大企業だけを含むので生存者バイアスがあり、銘柄は連動して動くので、検証は見かけほど独立ではありません。大事なのは正確な数字ではなく、方法と誤差範囲の広さです。
ラボ:採点される内容
- シャープレシオ10点
- 事後分布の更新15点
- シャープレシオのサンプル15点
- 信用区間10点
- 平均を縮小する15点
- メトロポリス・サンプラー20点
- 縮小推定の検証15点