昨日の事後分布が今日の事前分布
戦略にはバックテストがあり、その後に実運用の結果が届きます。ベイズ更新は両方を同じやり方で扱います。まず事前分布として、バックテストが示す戦略の年間の優位性とその不確実性から始めます。実運用の新しい期間の結果が届いたら更新します。事後分布が次の期間の事前分布になります。1期間ずつ更新しても、全データで1回更新しても結果はまったく同じで、期間の順序も関係ありません。毎日学習する実運用のシステムに向いています。
Pk=Pk−1+s21,mk=PkPk−1mk−1+yk/s2(1) ここで P は信念の精度、m はその平均、yk は期間 k の結果、s はその標準誤差です。市場にはもう1つ大事な考えがあります。市場は変わるということです。戦略の優位性は5年前と今日で違うかもしれず、あまりに古い結果は誤解のもとになります。1 より少し小さい忘却係数 δ を、更新のたびに精度に掛けると、信念が少し広がり、古い結果が薄れていきます。代償は信念が決して極端には確かにならないことですが、世界が動き続けるなら正直な態度です。
バックテストと実運用2年バックテストは年
6% の優位性、不確実性
4% を示すので、事前精度は
1/16=0.0625 です。実運用1年目は
2%、標準誤差
5%(精度
0.04)。事後分布は精度
0.1025、平均
(0.0625×6+0.04×2)/0.1025=4.44%、標準偏差
3.12% です。2年目は
1%。もう一度更新すると、精度
0.1425、平均
3.47%、標準偏差
2.65%。2年分をまとめて(平均
1.5%、標準誤差
3.54%)更新しても同じ
3.47% です。優位性が
0 より大きい確率は
0.905 になりました。
- 逐次更新:昨日の事後分布が今日の事前分布。1期間ずつでも一括でも同じ。
- 事前分布としてのバックテスト:正直な不確実性を持つ出発点の信念であり、事実ではない。
- 忘却係数 δ<1:更新のたびに精度を小さくして古い結果を薄れさせる。
ラボ:採点される内容
- 実運用1年後15点
- 1年後の広がり10点
- 実運用2年後15点
- 優位性が正である確率15点
- 古い結果を忘れる10点
- 順序は重要か10点
- 用語を結び付ける10点
- なぜ古い結果を忘れるのか15点