スコアから確率へ
ロジスティック回帰は「はい/いいえ」、たとえば明日のリターンが正かどうかを予測します。まず線形回帰と同じ線形スコア z=a+bx を作り、シグモイド p=1/(1+e−z) で確率に変えます。スコアはオッズの対数 z=ln1−pp なので、ez がオッズです。スコア 0 は p=0.5 を意味します。モデルは対数損失(結果がはいなら −lnp、いいえなら −ln(1−p))を最小にして当てはめ、自信満々の間違いを強く罰します。報告するクラスは、動かせるしきい値(通常 0.5)で決まります。
p=1+e−z1,z=a+bx,1−pp=ez,ℓ=−lnp (y=1)(1) スコア1と実際のSPYz=−0.5+2x、
x=0.75 とします。すると
z=1、
p=1/(1+e−1)=0.731、オッズは
e1=2.718 です。実際にその日が上昇なら対数損失は
−ln0.731=0.313 です。スコアは
x=0.25 で
0 になり、そこでモデルは迷います。実データはもっと控えめです。翌日リターンがあるSPYの
5,384 日のうち
54.9% が上昇でした。直近リターン、5日平均、20日ボラティリティによるロジスティック回帰を前半で当てはめると、後半の
98.8% の日で上昇と予測し、的中率は
55.4% で、常に上昇と答える
55.2% とほぼ同じです。対数損失
0.6872 は定数予測の
0.6878 をわずかに下回るだけです。真の割合が
0.55 のときに定数
0.55 を答えるだけで、すでに
−(0.55ln0.55+0.45ln0.45)=0.688 です。
クラスの片方が多いと、正解率だけでは誤解します。ほとんどの日が上昇なら、常に上昇と答えるモデルは良く見えますが、取引には役立ちません。方向予測モデルは、定数の割合を基準にした対数損失、確率のキャリブレーション、そして何よりコスト後にそれらで動く戦略のリターンで評価します。しきい値による判断では、誤った買いと見送りのコストはほとんど等しくないので、最適なしきい値は 0.5 とは限りません。
- スコアからシグモイドへ:線形スコアが 0 から 1 の確率になる。
- 対数損失は自信を罰する:自信のある誤答は、迷った誤答よりずっと高くつく。
- 基準を上回る:50% ではなく、基準割合を常に答える予測と比べる。
ラボ:採点される内容
- スコアから確率15点
- オッズ10点
- 対数損失15点
- モデルが迷う位置10点
- 定数の基準10点
- なぜ正解率は誤解を招くか10点
- 用語を結び付ける10点
- なぜモデルは基準をほとんど上回れないのか20点